遺伝子DNA(ゲノム)と放射能(半減期)※放射能の遺伝子への影響についての話ではありません。

半減期というのは不思議な話だな、と思うのだが、その半減期(放射性崩壊)に似ていると思うのが、遺伝子DNA。私の遺伝子DNAは、私の子→孫→ひ孫…とすすむにつれて、各個体内の1/2→1/4→1/8…と指数関数的に減少する。各々30歳で生殖するとすると、半減期30年。

セシウム137の半減期が30年、10半減期で1/1024、300年後にはほぼなくなると考えると、同じように、私の今の遺伝子DNA(ゲノム)は、300年後にはほとんどなくなる。だから「自分の遺伝子を残すために子どもをつくる」というのは、根拠が薄いという気がしてならない。

1/1000に薄まった「私の遺伝子(ゲノム)」にどの程度思い入れを抱けるか、個人差はあるだろうが(もちろんその後も世代ごと(30年と仮定)に半減、指数関数的に減少し続ける)。逆に300年ほど遡れば(複雑な生殖関係がなければ)私の祖先は1024人。個体識別がなんとか可能なほどの数。

「自分の遺伝子」を残したければ、クローンをずっとつくり続けてもらうのが一番いいと思うが、本当に「遺伝子(ゲノム)」を残したいだけなら、冷凍保存でもしておいてもらえば十分かもしれない。自分と同じゲノム(の一部)を持つ個体がいるって、そんなに嬉しいことなのだろうか。